ふらんふらん、歩け
体調が悪かった、というか今もだましだまし、内科で血液検査をしたけど特に病的な数値はなくて自律神経障害だと言われてベンゾ系の薬など頂いた。異変は火曜からで、先ず目眩。まあ目眩は私という人間にデフォルトでセッティングされているものなのだが、これが通常の四割増しといった具合で、次に倦怠感、身体がひたすらに重く、ベッドに横になっていても頭はぐるんぐるん、時折耳鳴りと頭痛もあって、水曜は手足に力が入らず夕飯は外食にしてもらい、昨日は買い出しには行けたものの調理が出来ず、買ってきた材料でテキトー料理を作って誤魔化した。そんで今日こそはまともな料理を作ってやるわいと誓い、現在トマトとチキンのシチューなるものをじっくりコトコト煮込んでいる真っ最中、私は火のそばから離れるのが非常に恐いのだけど、流石に一時間半もキッチンに居るのはつまらんので弱火にしてこれ書いてるっていう。
何しろ身体がそんな具合であったから、あるから、この一週間はえらく早かった。幸い彼は明日ちゃんと休めるようなので、一緒に散歩でもしたい。いやね、内科の医者に歩くことを勧められたのだ、一日十五分でいいからと。哀愁のチバラキに居た頃は結構歩いていたのだよ、私。田んぼしかない所だったから自分でコースを決めて三十分とか四十五分とか歩いていたよ、オールシーズン。しかし今、ここはトーキョー、見晴らしの良い所なんて近辺にないしどこに行っても人がわらわら居るし車はびゅんびゅん走ってるし何というか、チバラキは嫌いだったけど景色だけは良かったな、と今更の郷愁。違う、問題はこの冷凍都市トーキョーで如何にして十五分以上歩くかだ。少し離れた所に比較的広い公園があると先日美容院で聞いたのだけど、変質者も出没あそばされるらしいので、行くとしたら彼を連れて土日に、が、無難。
うむ、もっと「地元」を散策してもいいと思うぜ自分。つかした方がいいぜ自分。徒歩二分でスーパーとドラッグストア、徒歩三分で駅、駅を越えて二分でショッピングセンター、その並びに通っている歯医者、そこから少し歩くと児童公園、私がこの街で行ったことがあるのはこれぐらいのもんだ、越してきて半年が経ったというに。折角彼がプレゼントしてくれたデジカメもあるのだし、写真を撮るのも加工するのも好きだし、だが嗚呼、ここは曲がりなりにもトーキョー、カメラを構えると高確率で冷ややかな視線を投げかけられるのだった。しかもこのトーキョーは公園にでも行かない限り自然の植物が極めて少なく、近距離で花などを撮ろうとすると大抵民家だからそれはまるで忍びの者が如く、ターゲットに近付きつつデジカメを取り出しケースを外し、そのまま歩み去るかに見せかけて一瞬立ち止まってぱしゃりと撮影、そそくさと再び歩く。まるでスパイか闇取引をするやくざである。
話は戻るけど散歩、運動、私は歩くのは好きだけど運動、これ幼少期から絶望的に不得手であって、50m走で10秒を切ったことがなく、中学に上がってもその記録は更新出来ず、体育教師に「真面目に走れ!」と叱られたことを今思い出した。泳ぐのは好きだ。だがこれも、小学校の時だったか、私としては一生懸命に必死で泳いでいたのだけど、一応泳げてはいたのだけど、その泳ぎ方とスピードで以てクラス全体の笑いを誘ってしまった。それに水泳は諸事情でそう易々とは行けないのだ。
十余年不変だった体重から12キロ増えてしまった時、流石にこれは危険だと思って歩いたりしてみて、食事制限もして、少しマシになったかと思っていた頃に彼と付き合い始めて5キロほど幸せ太りという名のリバウンドを食らい、その頃スマホを買い換えたこともあって、友人の勧めでヨガのアプリをインストールしてみたことがある。私はお腹を中心にやっていたのだけども、実家自室でやるには狭かったし、いや、今は充分な広さもあるし腰痛のためにもまたあのアプリを入れてちょっとやってみたらどうだね自分、と思いながらもう二週間くらい経ってるのね。