日々の思考の公開処刑

集めたりしないで

眠るべき、苦痛と共に眠るべきだ

 ぱたぱたぴとぴとという雨音が響く午前二時二十分、イヤホンを装着するか悩む。そういえばこの部屋には時計がないからあの秒針のチッチッという脳髄刻まれそうな無情な音がしなくて幾分か楽ではあるが、時計がないならないでこれたいそう不便。

 

 先月エアコンのせいで電気代が、やあやあこれは遂に来たね、といった程度に高騰したのでカーボンヒーターなるものを購入してみた。私としてはセラミックファンヒーターを希望していて無印良品にて安価でデザインもラブリーなものを発見してはいたのだけど、かかる電気代、これがまたエアコンの倍くらいかかることが発覚し本末転倒、あの白くて丸っこいデザインには心底惚れ込んでいたけど結局今私の左半身をぬくめているのは白でもなく赤でもなく茶色のような紫のような微妙な色合いのヒーターである。末端がぬくもらないのが非常に手痛い。正直なところ少しばかり後悔しているかもしれない。彼の寝息が聞こえる。雨音が激しくなってきたのでイヤホンを装備するかしばし逡巡し、結局耳に差し込んでサイモン&ガーファンクルを再生。

 

 若い頃は入眠に非常に時間がかかっていて、朝方まで寝付けずどうしようどうしようと焦りながら日の出と共に寝て昼過ぎに起きるみたいな生活が随分長く続いて、日光が大好きなくせにああいう時の日の出はほとんど絶望的なやっちまった感を助長させ、そう頭が冴えるのがね、午前三時とかになってしまっていた。それが今は午後十時までには寝て午前六時に起きているのだから人間変わるもんで。しかし今日は薬が効かない。なるべく昼寝はしたくないし明日の午後は友人とスカイプの約束があるからして要は一刻も早く眠るべきなのだが、ベッドで布団に身を挟んで悶々と睡魔を待つ、しかも寒い、更に隣で眠る彼は寝相が悪くて嗚呼、もう少し鋭い何かが欲しい。この身体に。

 

 ロヒプノールをもう一度追加しようかと。