日々の思考の公開処刑

集めたりしないで

Nothing Comes Out

 言葉が急に私を置き去りにしてどこかに消えてしまう。何も出て来ない。私は言葉の不在にたえられない。冬の朝、真冬の朝、我が家のキッチンは何か透き通った液体、とても冷たい液状のような空気になって、私は毛穴から侵入するその冷気に負けないように泳ぐように歩く。朝六時、二面が窓のそのキッチンは真っ暗で、これから一日が始まるのかはたまた終わりゆくのかその判別も付かないんだけど、いずれにせよ液状の冷気は染みこむように私を包んで身動きすら不可能にするのだった。私はやがて昇る太陽を恋しがりながら弁当を作ったりシャワーを浴びたりするのだが、日によっては太陽は隠れ日光が届かないこともあってそういう日はホント、皮膚に気を付けて過ごす。